このレビューはネタバレを含みます
2024.052
当事者だけが、その時に未だ取り残されている。
月日が経つにつれて他人は変わらぬ日常を過ごしていくのに、家族や関わった人間達はその世界のまま。
きっと、娘を失くした両親も伯父も取材していた記者も日常は取り戻せない。
けれどもその非日常で生きているなりに、やっと少し前に進もうとしていこうとする、そういう結末なのだと思う。
こういう行方不明や誘拐を取り扱った作品で言う所のハッピーエンドとは違うのかもしれないが、娘を失くした母親の今後の人生を見れば、これは前向きな終わり方だろう。