麦

ミッシングの麦のレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
5.0
「考えすぎなくらい、考えましょうよ」


世間での誹謗中傷、事件をネタとして扱うテレビ局、他人のイタズラによって更にズタズタに傷つけられる心身。
人間は愚かだけどそれ以上に儚い美しさを持っていることを知れた。

ひとりひとりに想いがあって、皆が抱える苦しみを色んな形で表していた。
お互いのことを大切に思ってるのに誤解や勘違いによって空回りする。それでも手を取り合って苦難を乗り越えようとする人の姿はパズルのピースがはまったような嬉しい気持ちになった。
「なんでもないことが幸せ」だということを忘れずにいたいし、毎日何も起こらずに生活することが当たり前だと思ってる人に是非観てほしい。


迷いながらもただ愛する娘に会いたいという想いを胸に捜索を続ける母親演じる石原さとみ。不器用だけどそれを支えようとする夫を演じる青木崇高。ただ美羽ちゃんが見つかることを願うんじゃなくて夫婦の辛さに寄り添っていたいと考え葛藤する記者を演じる中村倫也。人間の''不安定さ''を表現したような何を考えてるか分からない弟を演じた森優作。迫真の演技で感情移入しちゃった◎
麦