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わたしたちの国立西洋美術館~奇跡のコレクションの舞台裏~のkaeruのレビュー・感想・評価

3.5
先日科博のクラウドファンディングに参加したばかりで美術館・博物館の現状に興味もあったし、松永真太郎さん(横浜美術館 学芸グループ長/主席学芸員)と大墻敦監督のトークイベントがあるというので劇場へ

BSでル・コルビュジエの設計、建築の面から今回のリニューアルオープンに合わせて作ったドキュメンタリーも見たけど、当初コルビュジエの設計は美術館がこれから成長するという前提で作られていたそうだ
その後周りに建物を作ったりして建物自体は成長できなくなったらしい

映画の方は美術館の改修のための作品の保護作業や、休館中だからできる貸出しのことやコレクションの買付けなど職員の仕事から、美術館の置かれている環境の変化、行政の支援の問題など西洋美術館を取り巻く様々なことが映し出されていた
新館長が昔いた頃と予算が大きく変わったと言うので、さすがに時代に合わせて高額になったのかと思いきや半減しているという
横浜美術館の方は横浜市の管轄だが、市の文化助成金は5、6年前から休止したままで予算はないという
おいおい日本大丈夫か?と思わずにいられない

そんな中でも学芸員たちが西洋美術への愛と良い作品をみんなに観てもらいたいという情熱を持って真剣に仕事に向き合う姿は、やり甲斐や生き甲斐を持って生きているなぁと思い羨ましくもあった
生まれ変わっても私は今ののんびりした生活がしたいけど
毎年、国立の美術館に相応しいと判断されたコレクションを追加していて収蔵品は増え続けている
まさにコルビュジエの想定した成長する美術館として今も進化しているということか

文化を守らない国なんて未来が不安だわ
子供たちに自国の文化も違う文化も大切にしていくものだと教えないと、遺跡を破壊するような大人になっちゃうよ
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