たつや

首のたつやのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
4.9
北野武じゃなくてビートたけし。
タイトルの出方、いきなり出るエグすぎる切断描写にまず掴まれ大量に出てくる生首、唐突にくる弓矢と死による戦の恐怖、史実と照らし合わせても納得感ある濡れ場描写、加瀬亮信長のイカれ具合に大満足しつつ、秀吉周りのコメディ、ビートたけしのおふざけにめちゃくちゃウケた。男らしく切腹する武士を皮肉たっぷりにいじり倒すシーン、面白すぎるとしか言いようがない。ラストもエグすぎる。これまでの醜い裏切りや争い、いや戦国時代全てがフリになってしまう落とし方。今まで学校や受験で必死に勉強したことは全て北野武の手のひらの上だった。最高。時代や権力を皮肉ったり楯突いたりこれこそがお笑い。お笑いの天才にしか描けない本能寺。IPPON。YouTuberをくさしたりギャンブルで大負けするのはお笑いではない。そんなこと誰でもできる。
最近のお笑いに呆れ返っていた時に現れた北野武最新作「首」。あぁこれこそが僕が憧れてきた芸人であり映画監督。間違いなく戦国時代を破壊した。時代を破壊できるのがお笑いなんだ。勿論満面の笑みで劇場を後にした。
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