北野武×戦国というもはや成功を約束された作品。
武士道や侍の美学に注目する戦国ものも悪くはないが、その逆でこの時代を考える上では絶対に避けることのできない欲と暴力の終わらない連鎖が強く表れている作品のほうが好みであり、この作品はほぼ後者でできている。
どいつもこいつも自分の欲のことしか考えておらず、その為なら仲間や親族にすら色々な意味で手を出す。加えて、それを暗く陰湿な雰囲気ではなくコミカルで力強く魅せてくるので不謹慎ではあるが楽しく観ることができた。
普段なら気になる某登場人物の棒読みセリフも残酷で胸糞悪いストーリーをコミカルにする要因の１つになっており全くノイズにならなかった。
つまるところ、この映画のバランスがとても良かった。
個人的に自分の観たいものがほぼそのまま観ることができ大満足だった。今まで年齢的に映画館で観たことがなかったので初めて劇場で観た北野映画で大満足。
友人数人で観に行き、観終わってからどのシーンが好きだったか話し合うのも意外と人によって好みが別れるのでオススメ。個人的には毛利軍の清水宗治の介錯シーンが好き。
