ちかこ

テノール! 人生はハーモニーのちかこのネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

映画館で見た映画の中で、一番、残念な感じの映画…。せっかく美しいオペラ座が舞台なのになぁー。

主人公、先生、友達、兄貴、近所の友達の心の動きが、いまいちつかみきれない。

最後に幼馴染の女の子が、勝手に主人公の家の中に入るのも「えぇーっ!勝手に入るの?」と思ったし、オーディションの紙をみんなに見せると、みんな以心伝心で、何も言わなくても聞かなくても、何かが伝わってるのも不思議。誰もが、その紙を見たらすぐに、ニヤっとして、風を切って歩き出す。「そんなに心が通じ合ってるの?彼らは?1人ぐらい『なんだよ、この紙』って言いそうなのに」と思った。

主人公が演技過剰になった原因、わからないままでモヤモヤ。自分の声に自信がなくなったわけでもなさそうだし。そもそも何を思って練習に通ってるのか?途中で経理の勉強も再開したのはなぜ?経理の先生から電話かかってきたから?だとしたら、主人公の決意が中途半端ってことで、それなのに、突然兄貴に向かってキレ出すのって、兄貴がかわいそうじゃない?「ほんとは経理、やりたくないんだ。ごめん」って謝った方が、兄貴も弟の味方になろうという気持ちになるんじゃない?

終盤、急に優しくなったライバル、ほんとに優しいままで終わるし、ライバルがオーディションで歌う場面さえない。もうちょっとキャラをふくらませればいいのに。ただ単にオペラ座の屋根からの風景を、映画に取り入れたかったから、このお坊ちゃんキャラを作ったみたいに思える。

先生は「ソウルに行くから」と、オペラ座支配人(的な人?)をだましてる(っぽい)し、病気だと打ち明ければ支配人が許してくれると見込んでたみたいなのも、あざとい感じがして、なんかイヤな感じだった。それとも私の勘違い?病気のままソウルに行くのかな?まさかね…。

終盤、オペラ座のシャガールの天井画を映すけど、まるで「オペラ座から天井画を写すのは3秒だけと言われてるから、ちょっとだけっ」とでも言うかのように、短いショット。ケチっぽかった。もうちょっと贅沢な気分に浸りたかった…。

エンディングのラップの曲の歌詞も「オペラ座で テノールのように 歌う」みたいな歌詞で、「みたいなって何!本物のテノールのオペラ歌手を目指して頑張ってるんじゃないの!?」とイラっときてしまった(^◇^;)。
ちかこ

ちかこ