しんちゃん

PERFECT DAYSのしんちゃんのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
5.0
★なんでもない平凡な毎日がなんて愛おしいのだろう!★

今年最後に最高の1本に出会えました。

役所広司演じる平山は、初老の一人暮らし。公衆トイレの清掃員を日々真面目過ぎるほどの丁寧さで勤めています。
早朝、近所のおばさんの掃除の音で目覚め、盆栽に水をやり、自販機で缶コーヒーを買って飲み、60年代から70年代の洋楽をカセット📼で聴きながら車で仕事に出かけます。
昼は決まった神社でサンドイッチを食べながらカメラで木漏れ日の白黒写真を1枚撮影。
仕事が終わると自転車🚲で銭湯に行き、帰りに居酒屋コーナーで焼酎水割りを1杯飲み帰宅。
布団に寝ながら文庫本を読みます。
毎晩白黒の不思議な夢を見ます。

週末は自転車でコインランドリーに行き、カメラ店にフィルムを現像に出し前週に現像した写真を受け取ります。
時間があれば古本屋に行き1冊100円の文庫本を購入。
夜は石川さゆりママのスナックに出かけやはり焼酎水割りを2杯以上飲みます。

こんな日常が淡々と描かれます。
もちろん、いくつかのドラマもありますが、中心は孤独で無口な男の日常です。
でも、そんな日常がとても愛しく感じられるのはなぜなんでしょうか?
毎朝、アパートの戸を開けて空を見上げ、少し微笑む平山。
便座の裏側まで鏡でチェックしながら、手際よくしっかり清掃する平山。
とてもピュアで魅力的です。
でも、そんな彼には深くて暗い過去としがらみのあることが、何年も会っていない妹の娘が家出してきたエピソードから伺えます。
詳しいことはわかりませんが、妹を抱きしめて感涙する姿に思わずこちらも涙😢

人生にはいろんなことがある。
しかし何があっても、必ず夜は開け朝が来て、また1日が始まる。
そんな毎日を慈しみ愛して生きて行こう。
そんな気持ちにさせられる映画でした。

最後にいつものように朝日の中を運転する平山の表情の素晴らしさ!
忘れられないシーン🎬となりそうです。
役所広司、すごい👍
しんちゃん

しんちゃん