今年一発目は必ず映画館でと思って、朝一で隣駅まで。
単純で退屈な日々に何かしらの要因(天気、関わる人、身に纏うもの、聞こえる音)が加わることで、何気ないはずだった日々が複雑かつ刺激的になる、という気持ちの起伏のカラクリを見た感じがする。
気づけば複雑かつ刺激的な毎日の方が多くなってしまい、それが心身ともに疲れる理由になっていて、だからこそ単純かつ退屈な日がものすごく尊く感じるんだよな。
刺激を与えられる人も魅力なんだけれども、毎日変わらずドンと構えるスカイツリーや、目覚ましがわりの箒で地面を履く音のような、それがあることでふと微笑みが生まれるような存在に私はなりたい。
音楽の使われ方もすごく良かったなと思ったら、この監督は選曲にとても時間をかけるみたい。納得。私もカセットテープ買いに行こう。小さい頃、昔話をカセットテープで聞いてたのを思い出してほっこりした。
この映画を見て、パターソンを思い出したのは私だけでないはず。ただ、舞台が日本ということもあり、私はパターソンよりもこちらの方が入り込みやすかったかな。
そして、刺さったのは「今度は今度、今は今」。「今度」って言葉、私はものすごくその時が来るのを期待してしまうのだけれど、そんな不確実な時を待つよりも、今を楽しむのが1番だよなと思えた。
観た時間帯なのか、土地柄なのか、映画館はご年配の方で溢れていたけれど、ぜひ同年代にも観て欲しい映画でした。