東京・渋谷で働く主人公平山の日々。
トイレ清掃員という仕事を描きながらも常に美観を保つ。各国で“ZEN MOVIE”と評される詩的で美しい物語。
情緒的だが代わり映えは無い毎日に吹いた雄風のような人との関わりが主人公平山のルーティーンを揺らす。
心情の変化がもたらす木漏れ日のような光景が美しかった。
短編のプロジェクトとして始まり、エピソードが追加されていったそう。そんな製作のプロセスから生まれた独特の構成は上質な連続短編小説を読んでいるような高揚感があった。
何かのゴールを設定して作られたものではないが故の純粋さが愛おしい。
役所広司の演技力と中野有紗、アオイヤマダの存在感は圧巻。
