トイレ清掃員のある男・平山の何気ない日常を描く、『幸せとは何か』を考えさせられる映画。
物質的豊かさよりも精神的豊かさが重視される、現代の世情を汲む描写中心のストーリー。
植物を育てること、本を読むこと、毎朝缶コーヒーを飲むこと、空を見上げること、カセットテープで音楽を聴くこと、銭湯に入ること、トイレを綺麗に磨くこと、など作中で描かれる小さなひとコマのシーンは、
質素な何気ない暮らしの中にも小さな喜びを感受する、それは人によって"最高な日"となり得るものである、というメッセージがあった。
背景説明が少ないため、余白を想像してしまうことも面白いところであり、
日常を切り取るカメラワークなど、映像の視点からも良作だと思った。
(余白が多い分、刺激が欲しい気分の人にはお勧めできない)
この映画を劇場で観た私の一日も
(特別に) perfect day であった、と記しておく。
