Fumiya

メイ・ディセンバー ゆれる真実のFumiyaのレビュー・感想・評価

4.1
「キャロル」の監督トッド・ヘインズの最新作。アメリカジョージア州にある港町で、23年前に当時36歳の女性(Gracie)と13歳(Joe)の男子生徒が性的関係を持ち、女性は収監されることになった。その後、二人は家庭を築くことになり、現在は大学生の子どもと高校を卒業する双子を持つ。この夫婦を題材にしたインデペンデント映画撮影のため、ナタリー・ポートマン演じる女優(Elizabeth)が夫婦を取材するところから物語は始まる。夫婦が現在に至るまでどのような扱いを受けてきたのか、女優が取材を重ねるうち、夫婦の関係性にも変化が生じる。誰の視点から見るかによって、映画で扱われる出来事の解釈も分かれる重層的な構成になっている脚本が秀逸。音楽も効果的で印象に残る。GracieとElizabethが化粧しながら向かい合って話すシーンは親密性と緊迫さが同居していて、さすがトッド・ヘインズといった感じだった。
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