磯崎眞澄

ポトフ 美食家と料理人の磯崎眞澄のレビュー・感想・評価

ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)
3.9
映画「ポトフ 美食家と料理人」
トラン・アン・ユン監督(この作品でカンヌ最優秀監督賞受賞)
ジュリエット・ビノシュ(ウージェニー・料理人)
ヴノワ・マジメル(ドダン・美食家、作るし考案する)
4人の美食家仲間
ヴィオレット使用人
ボニー・シャニョー・ラボワール(ポーリーヌ・才能ある少女)
これ、すごくいいです。
ストーリーらしいストーリーはないんだけど、登場人物の人生の物語を想像させる。

館内が明るくなるとすぐに、3つ隣のオレンジ色のババアが「わかった〜?わたしわかんなかった〜。お料理とか映像はきれいだったけど。メリハリがないわよね〜」とか言い出しやがってサイアク。
メリハリがないじゃないよ。アンタの想像力がないんだよ。リテラシーもデリカシーもないんだよ。携帯奈良支店じゃねえ。と思いました。

体調を崩したウージェニーにドダンが料理を作って食べさせる。
デザートの皿、ナイフを入れて開くと中から指輪が出てくる。皿の上の洋梨。
その晩ドダンがウージェニーの寝室を訪れるとウージェニーが裸でベットに横たわる。その後姿が洋梨と同じ。

オープニング
掘り出した根セロリをナイフで切ってかじる。

ラストがいい。
ポーリーヌと二人で作った料理を食べて話してる所へ友人が突然やってくる。
料理を食べさせたいと持ってきた。食べるとこれがいい。食べながら解説するドダン。料理人に会いに行こうと直ぐに出て行く。一人残ったポーリーヌがその皿を食べようとすると、「何をしている、一緒に来い」と3人で歩いて行く後姿。
カメラが厨房をパンして行く、色が変わる季節が変わる時間の推移。ウージェニーの言葉。ウージェニーとドダンの語り合う様子。開け放たれドア。その先の広がり。
ポトフを作り上げる方に行かない。

料理のシーン
工程が幾つもある。
魚のスープを作るのかと思ったら、オーブンで焼いた仔牛のそのスープをかけて、もう一度オーブン。
オーブンで焼いた天板に敷いた人参などの香味野菜は皿には乗らない。
パイの中にクリームで煮た野菜を入れる
牡蠣にクスクスとキャビア
舌平目をミルクで煮るオーブンに入れる。

鳥を2羽丸ごとでスープを取る。鴨、足だけ熱湯につけて皮を剥ぐ。
内臓を取り出して黒トリュフを詰めて、鳥のスープで煮る
磯崎眞澄

磯崎眞澄