アオ

落下の解剖学のアオのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
5.0
まず脳死で観るタイプの映画ではない。
ジャンルがクライムとかスリラーとかになってるけどそれは違う。ミステリーというわけでもない。
名探偵など出てこないし、物理学の教授が出る訳でもないし、人差し指を突きつけながら異議あり!とか叫ぶ激アツ法廷バトルでもない。
ただ私たちの生きている世界のどこかで暮らしている他人の家庭で起こった事件ないしは事故の裁判を野次馬根性で見に来てる傍聴人の気持ちにさせられる感じ。
ほんとに裁判て長くなるし、大っぴらに言うことじゃないプライベートな部分に赤の他人達がずけずけ踏み込んでくるし、裁判が終わったとしても抱えて生きていかないといけないのかと思うと気が重くなる感じ。明るさなどない映画でした。
両親2人ともが自分のことが1番大事って感じで、息子くんがほんとうに不憫。2人のどっちにも共感できなかった。
特に父の方が無理で、そんなことそんな時に言うなよみたいなシーンがあってめちゃくちゃ嫌だった。
でもそのシーンで父親が話してる唇の動きにあわせて息子が喋るんだけど、セリフと唇のシンクロ率が100%で素晴らしかった。
犬のメッシくんかわゆいね。
アオ

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