右折

落下の解剖学の右折のレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.7
淡々とお話が進んでいく。曖昧な事実の中、推測と妄想が飛び交い拮抗する裁判の様子や、事件に渦中にいる親子の心情が描かれている。検察側の主張にも被告側の主張にも、頷ける部分とそうでない部分があって、こんなにどちら側にもつかない、つきたくないと思う作品は初めてだった。ずっと傍観者席にいる感覚。

2時間30分もあり大きな展開がドン!ってあるわけではないけれど、フィクションであることはわかっていたのに実録か?となるほど自然でリアルで引き込まれた。面白かった。展開がない分見てる途中は正直長いな、と思ったけど、長いからこその作品だと思う。

途中途中挟まるピアノが綺麗ではあるんだけど時々隣り合った鍵盤を押さえているのか不協和音だったり、間違った?感じのリズムや音の運び方だったり、ダニエルの不安感や母親を信じたい気持ちなどが現れてるのかなと感じた。
右折

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