このレビューはネタバレを含みます
無関心が一番恐ろしいという話。
アウシュヴィッツの隣に住み、日々ホロコーストの音を聞きながらも何も気にすることなく日常をおくる家族。収容所から出る黒い煙にも目を向けることは無い。
外から泊まりに来た親戚が環境に耐えられず家を出たことではじめて、移住環境の異常性を露わにした。
収容所の様子をどう表現するかと気になっていたが、一切登場することは無かった。ただひたすら異常な環境で暮らす人々に焦点を当ててたところが、最高にA24らしくて良かった。
住み込みで働いていた少女が、夜にこっそり収容所に忍び込み、地面に林檎を埋めるシーン🍎 赤外線カメラで撮影していたこともあり、視聴者をハラハラさせる映画の中でも最も印象的な場面だった。
調べてみると、この少女の行動は実際に起きた出来事だそう。少女の勇気ある行動が、映画を通して広く知られていくといいな。
映画の〆は、博物館となった収容所の現代パート。大量の遺品を前に、黙々と清掃をする職員たち。「結局、あなた達も無関心ですよね?」と訴えかけるような印象的な終わり方。
どうもスッキリしないので個人的にはそこまで好みでは無いけれど、関心を惹かれない淡々とした映画の作りにすることで無関心の要素を視聴者に与えたかったのかなと思う。