マーフィー

愛にイナズマのマーフィーのレビュー・感想・評価

愛にイナズマ(2023年製作の映画)
4.3
2023/10/28鑑賞。

『月』を見て、石井裕也監督の別ジャンルの作品を見てみたくなり鑑賞。

人間誰もが演じている。
許せない嘘の真相が明らかになった時、それは美しい嘘になる。
よくあるっちゃあよくある話だけど、伏線を巻く時も面白いのはめちゃくちゃよかった(具体的にはネタバレの方に)。

「嘘であること」が同じ時期公開の『月』とは違う形で取り扱われている。




松岡茉優は社会不適合者の役が上手すぎる。
そして中盤から終始ブチギレてるの最高すぎる。
窪田正孝も天才的な社不感を出してますが、こっちもまた終始社不って感じで良いですね。
身内に対して砕けてる社不との対比が面白い。


そして荒川助監督役、めっちゃ嫌な奴やなあと思ったら三浦貴大。
嫌な奴やらせたら三浦貴大の右に出るものはいないわほんま。
天才的ヤダみバイプレイヤー。最高。ほんま好き。
花子の全てを否定していく役であり、特に「理由がないこと」にとても強く反応している印象。
人間はストーリー理解の生き物なので理由がないことにモヤモヤする気持ちもわか...いや流石に極端すぎる、受け入れなさすぎる笑
そして花子を「若いから」と括り、「今までのやり方を大切にしろ」という保守的な傾向は荒川が「若さ」の対に位置することを分かりやすく表している。
挙げ句の果てには花子宅で飲んだ後のあの行動。
クソオヤジロイヤルストレートフラッシュです。
ここまで嫌な奴ができる三浦貴大は役者として最高。


池松壮亮のブチギレも最高に良い。
あのテンポのいい喧嘩シーンから見てる方が知らない濃い情報がポンと出る感じ、めっちゃオモロい。
家族の喧嘩がおしなべて良い映画。


そしてどの人も「セリフを噛む演技」を自然にできるってすごいなと思う。


とてつとない邪推ですが、家族で話す時や実家の中での映像に固定ローアングルがあるのに東京物語を思い出した。



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