正直言うと、松岡茉優と窪田正孝のどちらもちょっと苦手。いや、正しくはこの2人がこれまで演じたキャラクターの中に苦手なタイプが多かっただけの事なのだけど。前半はその苦手な雰囲気全開で、さらに今の世の中の世知辛さも描かれていることもあるせいか、仕事終わりのお疲れモードで観るにはなかなかのしんどさ。
やっぱり別な映画にしときゃ良かったかな…と思い始めたあたりで、松岡茉優演じる花子が実家に戻る展開になり、そこからガラッと雰囲気が変わる。いやむしろ、前半のしんどさあってのこの後半だったのかも。切なくて可笑しくて、感動とは違う類いの優しい涙がじんわり溢れてくるような、不器用な家族の愛の物語。
周りとの調和を考えて取り繕う事に慣れた毎日の中で、無かった事にしてきたものの中にこそ、知るべき真実が多く隠されているのかも。
個人的には佐藤浩市、池松壮亮、若葉竜也の真っ赤なトップスを着た横並びの3ショットの可愛らしさがツボすぎて、映画館出た後も脳裏に焼きついてる。
実はうちの家族も会たびに必ずハグしてる。あとハイファイブも。(純粋な日本人ですが。)そっか、知らず知らずのうちに存在確認してたんだーと、今更な気付きをもらった作品。できるうちにたくさんハグしなきゃ。
