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グランツーリスモのmomichibaのレビュー・感想・評価

グランツーリスモ(2023年製作の映画)
3.8
特にひねりはない素直な流れのスポ根映画ですが、意外にも期待以上のいい映画でした。

実話だそうです。
ゲームの仮想世界でカーレースを知り尽くした俊英を、実際のカーレースに出場させるという企画。
そんな危険な企画があったんだ、とまずビックリ。
AI将棋対戦と違って、命懸けですよ〜。

元々ソニーのPlayStationのゲームだからか?(すみません、前知識がなく)、この企画を持ち込んだのが日産。
こんな大胆な企画、よく日本の企業で通ったなぁ、スゴイね日産。
この企画を持ってきて常にチームを見守ったムーア(オーランド・ブルーム)
+スポンサーの日産
+トレーナーのソルター(デヴィッド・ハーバー)
+夢見るゲーマー青年ヤン(アーチー・マデクウィ)、
どれが欠けても成立しない、運命的な出会いだったんだなぁと思う。

ただただ好きでゲームにのめり込んで、周囲から将来を心配され、親兄弟からバカにされていた青年。
「好きなことをやる」を続けるには、こうした外野の声に負けずに続ける意思が常に試される。
そのヤンの葛藤とトレーナーのソルターとの絆が築かれていく過程、また、父と対面するシーンなど、ドラマも見落としなく描かれているところ、
そして、元々“ゲーム”が初めにあることを忘れず描いたところ、
どの場面もあっさりだけれど、忘れずしっかり入れてきたところは好印象。

深く印象に残るタイプの作品ではないけれど、見終わった後に爽やかさがある。

ソルターを演じたハーバーは、おそらく主役級の作品はこれが初めてでは?
私には、「イコライザー」の刑事役の時の印象が強い俳優です。
本作のトレーナー役、良かったです。
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