通りすがりのいがぐり

グランツーリスモの通りすがりのいがぐりのレビュー・感想・評価

グランツーリスモ(2023年製作の映画)
5.0
噴かせ 心のエンジン

夢が掴めるほどの技量がありながら、その才能を発揮できずにいる。待ちに待ったチャンスも目の前。けど現実という壁が立ちはだかる。それがどうした?掴めるなら掴み取ってやろうじゃないか。この映画は夢を追いかける大勢の夢追い人の体を流れるガソリンに火をつけるような映画であり、レーサーとグランツーリスモという一つのコンテンツをプレイしたプレイヤー、そして製作陣への賛美歌である。

ドラマはストレート。夢追い人と夢破れし人の師弟関係と壁を乗り越えんとする王道系。だが、一筋縄じゃ行かない現実という壁の大きさもしっかりある。生々しい事情が入り乱れたりショッキングな出来事が主人公に襲いかかる。そんな中でも二人三脚で乗り越えようとする男2人の熱いドラマは文句なし。
そして、そんなドラマを盛り上げるレースアクションの楽しませ方は素晴らしい。一度でもグランツーリスモをプレイしたことがある人を唸らせるゲームチックに彩られていた。ドローン撮影も車載カメラの視線から得られる迫力もよくいつ何が起こるかわからないレースの緊迫感を生で感じられる。

ゲームで起こった現実のドラマを感謝と賛辞を尽くすこれまた大当たりなソニーゲーム映画作品。ソニーよ、そのまま上手く走り続けてくれ。そしてこの映画に感化された夢追い人達の未来に幸福あれ。