クアラ

ふたりのマエストロのクアラのレビュー・感想・評価

ふたりのマエストロ(2022年製作の映画)
3.8
『ふたりのマエストロ』を観てきました。

父と子の軋轢が主軸ではあるけれど、予想以上に複雑な人間関係で、そのドラマが凄く面白かった。

厳格な父親《フランソワ》と本心を語ろうとしない息子《ドニ》のすれ違いにヤキモキするし、嫌ってはいるものの父親と同じ様な接し方を自分の息子にしていたり、オケへの指示出しの詩的な表現が父に似ていたりと、ドニの描写がクライマックスへ向けての伏線的なモノになっているのもお見事。

音楽には疎いのだけれど、素人の耳で聴いても分かるほど、指揮者の指示と解釈でここまでオーケストラの演奏は変わるのかと驚き。

父子のドラマに巻き込まれる女性陣の描き方も絶妙で、夫の理解者として素晴らしいサポートをする元妻に特に感動しました。

美しい情景と演奏を堪能できる素晴らしい映画でした。
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