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湖の女たちのyyyymmddのレビュー・感想・評価

湖の女たち(2023年製作の映画)
1.5
若手刑事と介護士の破滅的な性的関係、刑事2人による脅迫的な取り調べ、薬害事件を追う記者と戦時下で人体実験を行なっていた731部隊の影…。複数の要素が絡み合っていく。確かに登場人物やそれぞれの要素がサスペンス的に結びついていることはわかるのだが、物語が問題提起したいことだとか主張したいことは最後までぼんやりしていてスッキリしない。

モヤモヤする主要な原因は刑事と介護士の性的関係を映す部分。地方の閉塞的な環境が孤独な女性の性欲動を抑圧することとか、上司からのストレスで壊れそうになる若手刑事が暴走していくこととか、理屈はなんとなく想像がつくが、物語の中では行動の理由を表現しようという意欲が全く見られず、ポルノ映像を観たいのでなければ得られるものが何もない。
性関係の部分を無視できたらいいのだが、主要キャラ2人の話だし、それなりに尺を取ってねっとり撮られている。それがサスペンス部分と絡み合っていくところに良さがひとつも見出せないし、それ自体には問題提起も何もない。有名な俳優でアダルトビデオが撮りたかったんだろうか…?と思われても仕方がない。

うだうだ書いてしまったけど、とにかく性的な描写が酷く、それ以外の物語もまとまりが悪くていまいちピントが合わない。それなのに2時間越えで終盤にだらだらと景色が長回しで撮られたりすると、本当にごめんけどかなりウンザリ。元の小説がそうなのかもしれないけれど、2024年の映画として世に放つならもっときちんと翻案するべきだろう。
731部隊についてきちんと調べる機会となったことだけがよかったところ。
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