よー

哀れなるものたちのよーのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.3
2024年39本目
とんでもない怪作。
醜くも美しい物語。
一人の女性ベラが「冒険」を通じて世界を知り自己を獲得する物語。
エマ・ストーンの怪演によりベラが本当に魅力的に見える。
性による快楽を求めにいく姿、知性を求めにいく姿、そのすべての姿が魅力的に見える。
また、彼女の物語が面白すぎる。
出自からぶっ飛んでいるがそこから始まる「冒険」も異常に面白い。
次に何が起こるかが本当に読めない。
若干ゴールファーストで描いている感じは否めないが、それでも描きたいゴールへの道筋としてはめちゃくちゃ面白いしどんどん引き込まれてしまった。
マーク・ラファロ、ウィレム・デフォーの演技も素晴らしかった。
特にラファロ、最初から「こいつはしょーもない男だろうなぁ」と感じさせる演技がすごい。

割と世界観は不気味で、劇伴も不気味。
ただ、映像がまるで絵本から出てきたように美しい。
色彩感もとても良かった。
街の描写などの美しさや色彩感はとても感動した。
それでいて娼館のシーンなどはちゃんと「醜さ」も出ていて良かった。セックスシーンが多かったのも意図的ではないのかな。

「人生というものは醜さを内包しながらも美しいものである」というのが自論なんですが、まるでそれを体現したかのような映画でした。
素晴らしかった。
よー

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