カニバル

哀れなるものたちのカニバルのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.7
これは一人の女性の開放と飛翔の物語。

脚本、映像、構成、衣装
全てが緻密に練られた作品で監督とスタッフの仕事ぶりに感服…。

一見、荒唐無稽な設定ながら男のエゴと狂気によって生み出された無垢な魂が欲望に目覚め、喜びを獲得し成熟していく成長譚として完璧なストーリーティング!

主人公のベラが籠から飛び立ち、変化していく中でベラに関わる人達もまたベラというイノセントな鏡像によって自身と向き合わされ強制的に変化させられるグロテスクさは痛快。
また、あらゆる事象を力強く乗り越えるベラ、そしてベラと心を通わせ受け入れていく人々の心の交流が心地よい。
「自由」とは「選択する・できる」ということなのかもしれないとこの作品を観て切に感じました。
ラミー・ユセフ演じるマックスが共感度maxなヤツで仲良くできそう。

各俳優陣の名演も凄まじいが、カオスな世界観の中で妙なリアリティを成立させる画作りが凄まじい。

衣装のホリー・ワディントンのデザインする衣装が最高に好みなのとベラの成長を表現してるのが素敵だった。
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