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哀れなるものたちのタロウのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0
『POOR THINGS/哀れなるものたち』




2回観てやっと諸々消化できた感じ!去年の東京国際映画祭で観たときは泡吹いて倒れそうな衝撃映像を前にして、感想以前にただただ圧倒されてただけだった。ある程度話の流れが分かった上で観ると、なるほどなるほどベラたちが言わんとしてることが強烈なビジュアルに乗せて飛び込んでくるので面白い!この映画めいっぱいに楽しむには2回以上の鑑賞が必須、な気がする。

ヨルゴス・ランティモス監督とやらがどうやらヤバいということ、レーティングが+18であることを考慮しても、恐ろしく奇怪で突き抜けた映像の数々。『アメイジング・スパイダーマン2』と『ラ・ラ・ランド』の世界線でしか知らなかった自分にとって尚のこと、あれだけ全力全開なエマ・ストーンは勿論見たことがない。それが今回は"死んだ母親が身ごもっていた胎児の脳をその母親に植え付けた人物"なんてイカれたキャラクターの喜怒哀楽表現が見ていてとにかく楽しい!自由奔放な女の子から思慮深い女性になっていくまでをあんなに幅広く演じられるなんてスゴい。初めて目にするエマ・ストーンがとにかく衝撃的だった。

そんなエマ・ストーン演じるベラが「私は私を謳歌する!!!」ってマインドで突き進んでいく姿に惚れ惚れして、タルト食べすぎるとゲボ吐くってのはタルト食べすぎないと分からない!!!って尽きない好奇心で世界の素敵な面もグロい面も目の当たりにしていく大冒険に圧倒される。行く先々で色んな人と出会って、影響を受けて、吸収して、また新たなベラとなって次の地へ向かう旅。あれだけ伸びやかに、思い切れる余裕と度胸を身につけることができたなら人生変わりそう。そんな期待とパワーも貰える特盛映画だ!

memo
・東京国際映画祭は外国からのお客さんが大勢いたのもあってか、笑い声が起こって終始賑やかな雰囲気だったのが、2回目はお客さん皆でじーーーっと観る感じでそのギャップにも驚いた。この辺のお国柄が見えるポイントは面白い。
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