縞

哀れなるものたちの縞のレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.4
初っ端からあけすけで生々しく、付いてけるかな…と不安になりかけ、本能の求めるままに生きているベラのエマ・ストーンをちょっとばかり怖がりつつも目で追っていたら、いつの間にか世界の縁を覗き込んでいたみたいな気分。曇っていた機会が晴れていくように、教養がその目を開かせる。ビルドゥングスロマン的映画は数あるけど、その中でも設定の面白さや内包している世界観は抜きん出てるんじゃないかな。ベラを見る視点も他者によってどう自分が評価されているか、それによって自分はどうしたいかが冷静に描かれている。ちゃんと見て、知って、理解する。自分の意志を貫くベラがとても良い。こうありたい。そして、やっぱりエマ・ストーンは凄かった。ダークファンタジーのような世界の色彩も衣装も不思議で、絵本の中に迷い込んだよう。
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