ちゃん

ガルギ 正義の女神のちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

ガルギ 正義の女神(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

今年のIDEでは現時点で10本ほど観させていただいておりますが、この映画が一番心に残っています。

ガルギも苦しい立場なのですが、被害者とその父親が本当につらく、また被害者の父親役の俳優さんの演技も素晴らしいために、平常心では観ていられませんでした。
彼らはなぜこんな目に遭わされないとならないのか?

ガルギの弁護士役も素晴らしかったです。
よくある男前の敏腕弁護士とは正反対のようですが、正義感と人情、優しさがあり、実は能力も秘めている。
彼の献身には心を打たれました。
ガルギは彼に冷たくあたります。あれだけ活躍してくれて、報いはガルギが言った「1パイサも受け取らずに働いてくれている」という一言と、エンドロールの先生とのやり取りだけ。
もっと彼への労りがあって欲しかったなと思いました。

結末は本当にやるせないものですが、ガルギの立場、被害者とその家族の立場、さらにもしかするとガルギの父親の立場にもなりうる可能性は誰にでもあることをこの映画は示しています。

エンドロールが救いでしたが、
現実の世界ではなかなかこうはならないだろうなと思うと複雑です。


ガルギ役のSai Pallaviさん、弁護士役のKaali Venkatさん、被害者父役のSaravananさん、ガルギ父役のR. S. Shivajiさんはとても優れた俳優さんだと思いました。
他の出演作も観てみたいです。

この映画にスターは出てきません。
重いテーマであり、娯楽として楽しむタイプの映画でもありません。
満員御礼とはならないかもしれない可能性があるにもかかわらず、この映画に日本語字幕をつけて公開してくださったIDEさんには感謝を申し上げます。
是非またこのような良作を届けていただければ幸いです。
ちゃん

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