ケネス版『名探偵ポアロ』シリーズ第三作目。
個人的に一作目が奇跡的に良かった為それ以降は基本的にハードルが上がりまくっての視聴もあるのか、本作三作目も二作目と同様に物足りない印象でした。
良くも悪くも普通の探偵モノで、今回はそれにホラー要素が組み込まれており見せ方も良いか悪いかは置いといてとてもホラーっぽい工夫がされているのが分かります。なので探偵×ホラー映画として普通に面白いです。
加えて最近の映画ではあまりない、映画としての優雅さが20世紀中盤のベネチアを通して序盤で良くあらわれておりその点も好きな所です。
ただ、この映画を通してポアロの魅力があんまり感じられず、髭やハットなど見た目は悪くないのですが、行動や雰囲気が個人的に苦手なんですよね。
今回の作品だけではないのですが、ケネス版ポアロってよく自分に関係あることには怒鳴りながらブチ切れる癖に、相手を感情的にさせる時は軽いドヤ顔しながらすごい落ち着いてるんですよ。一作目はそれが良いほうに働いていたのですがそれ以降はそれが非常にノイズに感じてしまいます。
他にも謎を明かす時の行動がオーバー過ぎるなどありますが、それらを含めてケネス版ポアロってすごいナルシストさが全面にあらわれているように感じます。
探偵は引退したと言いながら、こんな感じでいられたら「何この人、、、」と感じてしまいこの辺りの矛盾が今回は余計にノイズに感じました。