みむさん

イン・フレームのみむさんのレビュー・感想・評価

イン・フレーム(2023年製作の映画)
3.3
シアトル国際映画祭にて。

アカデミー賞国際長編部門パキスタン代表。
家父長制にガチガチに縛られた母娘の恐怖。
パキスタンの悪しき家父長制を批判する社会派映画をゴーストホラー風に描いてるような映画。

夫から虐待され、その夫を亡くした後一人でなんとかやりくりするも女性1人では生活に困るであろう妻ハリファ、大学生の娘マリアム。
伯父がこの親子の生活サポートをしてくれているが…。

女性の権利がほとんど認められず、車を運転すれば襲われ、警察に行けば叔父の名前を出さなければ相手にされず、アパートの外にはマスターベーションする男、恋仲になった男性とは離れて座れ…など、生きづらいどころではない境遇の二人。

父が亡くなり解放されたとはいかず、亡くなっても母娘につきまとう男性たち。

やや大げさかな?とも思える音響や、死に様や心臓に悪い場面もまさにホラーの雰囲気醸し出し、もしかしてこれは社会派ドラマからガッツリホラーに転じるのか?とドキドキしながら観たが、そういうものを期待をすると山場はあるもののやや弱いかなと感じてしまうかも。

女性を個人として尊重せず、選択を与えず、暴力や経済力を使って服従させようとする。幻覚・ゴーストの恐怖に怯えるが、まるでそれが現実の状況の恐怖と同様で地続きになっているようだった。

ラストもモヤっとゾワっとする。