lili

絞殺魔のliliのレビュー・感想・評価

絞殺魔(1968年製作の映画)
4.0
見てよかった〜!

センセーショナルに遊ぶ映画かと思って遠ざけてたけど、むしろ実際の事件に丁寧に向き合い地に足の着いた社会派の作品。この事件自体が現実において扇情的に扱われたことに対して、フィクションに近いはずの映画がむしろ殺害場面の平坦さ、肌の少なさ、ミステリーとしてのハラハラ感の弱さが一貫していたことからもそれがわかる。問題提起をしようという意識が強いのか?娼婦、同性愛者、超能力者、精神病(の苦悩とそれに対する医療)、警察側の問題。最後に観てる側に、自分たちがリアルだと思っていることが本当にリアルなのか考えさせられる終わり方も秀逸。

この事件はこの映画が撮られたあとにも大きな展開があるので、そこ含めて映画にされてたらどうなってただろうかと想像。

やはりスプリットスクリーンがおもしろい、かわいい。コラージュみたいだ。黒の余白、白の余白が効果的に使われている。
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