のんchan

絞殺魔ののんchanのレビュー・感想・評価

絞殺魔(1968年製作の映画)
3.9
WBC侍JAPANロス😢
切り替えなくてはと集中出来そうな怖いジャケ写で選んでみた。
『マンディンゴ』『見えない恐怖』も面白かったリチャード・フライシャー監督の実話サスペンス❗️

1962〜1964年にボストンで起きた13人の女性連続絞殺事件。
前半は殺人現場を次々と見せ、事件の手口を細かに示し、恐ろしさを強調する。しかし捜査は難航し警察は焦って行く。社会情勢やニュース番組を通したドキュメンタリー風に描いている。

当時のサスペンス手法で、画面が幾つもに分割されてシーンが進行する"スリットスクリーン技法"を使い、その斬新さで惹き込まれる。

後半はようやく辿り着いた容疑者(トニー・カーティス)に焦点を当てる。男は身に覚えがないと訴える。精神科医は二重人格の可能性を示唆する。
ラストの2人芝居となる、容疑者の口から自白させようと検事(ヘンリー・フォンダ)が巧みに引き出して行く取り調べの緊迫感が圧巻。

自分が正しいと信じ込み都合の悪いことは忘れてしまう。
証人となる被害者ですら自分にとって辛いことは意識から遠ざけたいのか?容疑者を見ても知らない男と言っている。ここも事実なのでしょう...だからこそ怖い。

事件でなくても、私たちは自然と保身し自己防衛しますよね。
そして、人間は法で裁けない領域があり、善と悪の境界線の曖昧さを打ち出しているように感じた。
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