パンくん

モダンかアナーキーのパンくんのレビュー・感想・評価

モダンかアナーキー(2023年製作の映画)
3.8
これはなんて言うんだろうか。面白いという一言で片付けられない作品。
舞台は東京、練馬区。スケボー少年達はそこで日々暮らす。
寡黙なスケボー少年の新垣は何を考えているのか分からない。どう暮らし、何を思い、何がしたいのか。でもどこかその存在に惹かれてしまう。

新垣が死んだ。

そんな彼の死を巡る若者たちの群像劇。

お話前編を通して彼の真意は何も分からないし、唯一わかることは彼がコーラを好きだということ。だけどそれが良い。個人的に虹郎くんの最大の魅力は“声”だと思う。その虹郎くんに「寡黙なスケボー少年」という役を与えたのが素晴らしいキャスティング。彼の物語終盤のある一言の破壊力が凄まじくなる。
見終わったあとにトークショーがあり、知らなかったが折角だからと最後まで見ていたが、とても杉本監督は何故か自分の作品に自信がなかった。3・4年前の作品ということもあるらしいが、僕は恐らくだがその監督の拙さというのが僕の癖にどストライクだった気がする。お話には関係の無い無駄な描写、俳優たちの自然な顔。彼の作品を今後チェックして行こうと思う。
この映画で確実に伝えたいものはあって伝わるけどそれはお話、ストーリーとしてのわかりやすさとかでは決してない。映画を見慣れてしまった僕達に新しい気付きを与えてくれる。そんな作品でした。

シアターイメージフォーラムで2週間限定上映中。残り1週間くらいかな??
ぜひ鑑賞をオススメします。
パンくん

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