みむさん

When It Melts(英題)のみむさんのレビュー・感想・評価

When It Melts(英題)(2023年製作の映画)
4.0
シアトル国際映画祭にて。

めちゃくちゃ重いし凹む話。テイスト全然違うが「プロミシング・ヤング・ウーマン」「同窓会/アンナの場合」を思い出す。
「オーバー・ザ・ブルースカイ」主演等の女優ヴェルル・バーテンスの監督デビュー作。
同名小説の映画化らしい。

伏線張られてはいたが、タイトルの意味が最後になって明らかになる。やっぱりそれなのか…と。
目的果たしてスッキリ…とはいかずかなり凹む。

現在のエヴァと子供の頃のエヴァの様子が並行して描かれ、どちらも徐々に雰囲気が重たくなってく。
お前は忘れるだろうが私はずっと忘れないぞ…というやつ。

いじめや悪戯や暴力ってやった側よりやられた側のほうが心的ダメージは大きいだろうし、やった側に罪悪感があって悔いているならまだ同情の余地があった。
この映画はエヴァ側の視点なので2つの時間の間にやった側はどう思っていたのかはわからないが、エヴァの両親が機能不全なことや、心の拠り所の肉屋のおばちゃんの選択もエヴァにとっては残酷で、それこそMeTooみたいに一緒に闘ったり味方になってくれるとは限らず、孤独にトラウマを抱えていがざるを得ない状況がしんどすぎた。

妹がいるだけまだよかったはずだったが、親の世話のために実家に帰ってしまうという追い討ち。

一人になったらそりゃいろいろ思い出す、というかエヴァにとっては消すことのできないトラウマだから。
そんな状況の時にあんな知らせを見たら…。

性暴力、復讐、未熟な少年少女の残酷さ、トラウマから立ち直れない孤独な者、親のエゴと愛…
重たい要素が重なり後半にいくにつれてしんどすぎる映画だった。

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