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赤と白とロイヤルブルーのioのネタバレレビュー・内容・結末

赤と白とロイヤルブルー(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

アメリカ大統領の息子と、イギリス皇室の王子のラブコメ。

アレックスが大統領である母親にカミングアウトした時に、母親が「ゲイ バイセクシュアル フルイド パンセクシュアル クィア(どれ?)」ってさらっと聞いていたのに感動した。相手が同性であると聞いただけで、これだけのセクシュアリティがスラスラ出てくる知識と愛をもって受け入れる様が素敵だった。また、経験がないとしながらも、性教育の話をするのもよかった。

ヘンリーについても、格式ある代々続いてきた皇室の歴史の中でこれまで同性愛者がいなかった、だから、アレックスとの恋愛が難しい、皇室のイメージや伝統を考えた時にカミングアウトのハードルが高い、という描かれ方に感じられて好感を持てた。同性愛=禁断の愛ではなく、今回は彼の生まれがたまたま恋愛の障壁であったということ。相手が同性でも、当たり前に恋愛して良い。

彼らが政治家になる道を諦める、皇室を離れるという結末ではなく、今いるその世界で、ありのままで生きていける結末。思えば、セクシュアルマイノリティのハッピーラブコメって本当に少ない。いつか何かで、LGBTQ+が中心の映画では、彼らは旅に行く確率が高いというのを聞いたことがあるけれど、煩わしく息苦しい世間から距離をおいて2人の関係性を見つめる作品が多い中で、今いる社会の中に居場所を見つける話で、また少し時代が進んだのかなとも思いました。ハッピーラブコメ、もっと増えるといいですね。
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