春野原

突入せよ!「あさま山荘」事件の春野原のレビュー・感想・評価

4.0
テレビの番組で赤軍のメンバーが出所したと話していて、赤軍…?と思い色々まとめて赤軍関係の本や映画を見てみました。
学生運動から始まり安保闘争成田闘争…今の穏やかな傷つきたくない日本の若者がしったら卒倒しそうなほど、過激な集団になってしまった赤軍。その1派閥が集団で山奥に潜んでいるうちに仲間同士でリンチ行為になり大量の死者を出してゆく…。実際にあったホラー顔負けの事実。やがてグループは崩壊。数人ずつ別れて逃走し次々と捕まるが、雪山で道に迷った5名が偶然にも要塞のような地の利にある浅間山荘に人質を取って籠城する。その様子は生放送され…。
フィクション以上のノンフィクション……。

本編は山荘の籠城に対応する長野県警と警視庁機動隊の話。
原作は実際に現場に派遣された警視庁の佐々淳行氏。三島自決の現場にも駆けつけたベテランだが、日本未曾有の大事件に苦難する。県警と警視庁の軋轢、マスコミの過報道や民間人の死者、長引く籠城、銃撃戦殉死、アナログでしか取れない連絡、指揮系統の混乱怒号、作戦の失敗等々…そして最後の大作戦が…。
同氏がカメオ出演もされている。

本のほうが県警との軋轢描写が細かく事情がわかりやすいが、実際の雪山や放水の中、腰までつかる機動隊など過酷なロケ…俳優さんたちが大変だが、実際の警察の方々のご苦労や勇気は…感謝してもしきれない。
春野原

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