29球Agent

死がふたりを分かつまでの29球Agentのレビュー・感想・評価

死がふたりを分かつまで(2023年製作の映画)
2.3
薄い内容をこれだけよくも更に引き伸ばしたなぁと云う誉め言葉しか出てきません。
特集サイトでは『ジョン・ウィック』『ブレット・トレイン』を彷彿って、ちょっとどころの背伸びじゃなく、厚さ50センチの靴底のシークレットシューズ履きましたね。

結婚を許さない犯罪組織から、せっかく許可をもらい式を挙げる当日に結婚も止めてまた組織から脱退するため花嫁が逃走を図る。
そこに花婿が差し向けた同僚の殺し屋達が連れ戻しに追跡するって話で、作品の紹介文読んで観るまではウスバカゲロウ程の期待はしてましたが、ここまで・・・。

突っ込みポイント満載で息継ぎすら忘れ、携帯用酸素ボンベが必須です。
無駄にポーズをいちいち取りながら会話したり、肉弾戦ではその度にわざわざ音楽を流し、花嫁はいつになったら肉弾戦のため動きにくいパーディードレスを着替えるんだ?とか、ラストダンスの、観てたら薄ら寒くなるほどの無用なステップ、ウイットに全く富まない上っ滑りの会話をいつまで延々と続けるのか、結婚式を止める理由のパートを交互に流さなくても理由は想像できるからと監督の肩を叩きたくなったりすらします。
すいません、馴れ馴れしくて。

スタイリッシュでウイットに富んだ会話と洗練され尽くしたおしゃれな作品を作りたかったんですよね、よく分かります。 

ただ、収録時間は90分以内に収めないと飽きますので、編集のプロに再編集をお願いしたいくらいです。
そして、結婚式を挙げる予定の2人の殺し屋としての腕の確かさが分かるような掴みのエピソードをオープニングに入れてもらえないと、
追手が不甲斐無さすぎるのか、それとも花嫁が強すぎるのか、いきなりバトルを始められても、両者の腕のレベルが全く分かりませんから肉弾戦もさっぱり愉しくありません。

制作陣と云う外野があれやこれやとうるさくて、監督の独自色を出そうとしても、色々制約があって出来なかったんでしょうね。
大変不憫な作品です。
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