Hinna

ラ・メゾン 小説家と娼婦のHinnaのレビュー・感想・評価

ラ・メゾン 小説家と娼婦(2022年製作の映画)
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んー,他のフィルマークスレビューと同様に,ちょっときれいすぎというか,そこまで刮目させられる感じはしなかったかも。
ただ,ラ・メゾンでの体験をノートに取り続けたことが同僚に知られて責められるところ、あそこはこの映画ならではだったと思った。エマは作品のためだと妹やセフレに言い訳して娼婦をしている。周囲にはおかしいと言われ,まわりの娼婦にとっては“よそ者”であり,自分たちをネタにして物書きをするエマにいい気分はしないはず。エマは小説家として娼婦をすることで,どちらにも受け入れられない。これは,他のドキュメンタリーや潜入をする物書きや研究者ならみんな体験するのではないか。

そして,公式HPの中の“小説家は書くために危ない経験をするのではなく,危ない経験をしたいから書くのである”(うろ覚え…)というのは確かに。エマは,きっかけは執筆でも一度入り込んだら片足だけでは済まない人だった。娼婦がとか性がというメッセージ性を求めるよりも,“小説のため”に娼婦を始めたエマの経験談として観たほうがしっくりくる映画かも。そこをもう少し知りたかったなぁ。
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