とても良いものを観た。
まず、音がよい。水のコポコポ、バシャバシャ、という音がとても心地よくて、それだけで映画館来てよかったなという気持ち。インタビュー中に鳴るクマよけの鈴も、音楽の一部みたいなかんじ。勢い余ってサントラ買ってしまいました。
イワナを守るために「釣らない」「獲らない」「触らない」みたいな、関わらないという選択が失敗に終わってきた歴史をふまえて
「関わることが守ることにつながる」
「関わりを断つことは、守ることではなく、無関心」
ということを語っていく。
魚の映画からこんなパンチラインが飛び出すなんてびっくりで、出てきた言葉たちをちょっとずつ思い出しては噛み締めている。
この映画がきっかけで、漁業と地域に対話が生まれて、考えることが始まっていくという構図こそ、まさに「関わる」ことのひとつだし、そのツールとして機能しはじめているこの映画は、映画の”使い方”みたいなものを考えるとても良い例だ〜と唸ってしまった。
関わることで維持できるシステムの側をつくるべき、というのは漁業に限らずきっとそうで、最近片足突っ込みはじめた観光の未来もきっとそこにあるんだろうなと思う。
あと、人間関係もたぶんそう。
変化していくことがどうしようもないなら、相手に関わり続けて、流れの中でどう生きるのか、ってことなのかもしれない(イワナは淀みに生きるらしいけど)
エンドロールの一番最初、鮮やかで思わず拍手しそうになりました。ぜひ席を立たずに最後まで。