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映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)のshucchiのレビュー・感想・評価

3.4
個人的に結構期待して観に行った「ドラえもん×音楽」というテーマの本作!
音楽ものはめちゃくちゃ好きなので概ね面白く、好みの作品だったのですが、その分惜しかったなぁと感じてしまう部分も…

クラシックを中心とした音楽は全体を通してとても魅力的で、クライマックスの演奏シーンは劇場で観れて良かったです!
自ずと込み上げるものを感じるほどでした。
特に例のフレーズはね…

メッセージ性は前作と比べると味付けがやや薄めになりましたが、のび太が苦手と向き合っていく成長物語としては一応体を成していました。
できればここをもうちょっと丁寧に描いてほしかったという想いです。。

全体の構成としては、序盤で「あらかじめ日記」が登場した時点でかなり期待が高まり、わかりやすく気持ちいい伏線回収で満足でした。
のび太たちの習熟度に合わせて段階的に舞台が顕になっていく設定も、ありそうでなかった感じがして、とてもワクワクしました!
「音楽もの」と思って身構えて観に行っていたので、あらかじめ日記の登場は意外でしたが、大長編にするならうってつけの道具ですね!

今回かなり良かったのが、ゲスト声優のクオリティと出番の塩梅!
チャペックなどセリフ量の多いゲストキャラがしっかりプロで固められていて、すごくちゃんとしていました。
ベントー役の吉川晃司さんもかなり良かった!
ミッカ役の子役の方もかなり頑張ってた!若いのにすごい!

今回ゲスト声優は大成功の部類だったと思うのですが、「ゲストキャラ」そのものの在り方には正直疑問の残る作品となりました。。
特に石丸幹二さん演じるワークナー。これは完全に蛇足だった。なお、石丸さんに罪はない。演技は素晴らしかったと思う。
まぁ地球交響楽というタイトルと石丸さん起用という時点で「題名のない音楽会とのタイアップだろうなぁ」とは思っていたが、ここまでゴリ押しねじ込みというのは想定外、、、素直に残念です。勿体無い。

さぞ重要そうな施設でさぞ重要そうな濃い目のキャラが登場したもんだから期待したのに…後半はただ演奏会に参加するだけのモブに成り下がる始末。
あれでは悪いやつだか良いやつだかもわかり辛いし、よくわかんないまま急にいなくなった違和感しかない。
やるならちゃんと掘り下げて描いてほしいし、できないなら削ってその分ミッカやベントー・チャペックたちの方をさらに深掘りして、作品をもっともっと良いものにできたはずでしょ。
思えば、今騒がれてる小学館の体質って藤本先生没後直後からもそうだよね。。もう諦めてるからいいけどさ。いいけどそういうとこだなとは思うよね。
おかげさまでドラ映画は、毎年春に安定して40〜50億円もの大稼ぎをしてくれる小学館のドル箱になったとさ。

それから、「の」の音がクライマックスに向けてのキーとなっていた訳だけど、そこにももう少し意味や理屈を持たせて欲しかった。
4万年も前の伝説の縦笛をわざわざ探してやっと手に入れたのに、結局同じ音なら別の楽器や別の人でもいいというのはちょっと雑すぎん…?
縦笛直すとか、協力して音を出すとかいろいろやり方あったのでは…

途中でドラえもんがノイズによって故障?してしまう流れも、その後の友情描写のための当て馬感が拭いきれない、、
ドラえもん無力化による大ピンチからの力を合わせて乗り越える〜的な山場を作れるチャンスなのに。その点雲の王国では上手くやってたように思う。復活時のカタルシスが違うなぁ…
ある程度道具も使えちゃうし全く身動きが取れないとかコミュニケーション取れないとかでもない。うーん中途半端かなぁ、、


ところで、今回のドラえもんはシャンプーハットを被って洗髪したり、ナイトキャップを被って寝床についたりと、頭皮ケアに余念が無い様子。高度なボケでしたね😊


次回作もオリジナルでしょうかね…
リメイクを挟まず3年連続オリジナルとはなかなか強気。カチコチ、宝島、月面の3連以来かな?新恐竜もオリジナルと考えると再来年もオリジナル…?

城とコウモリと湖…?
魔法使い的な格好から夢幻三剣士説があるようですが、他の要素と合致しないかなと。何より夢要素がないですし。
ドラえもんで城と言えば「ゆうれい城へ引っこし」が真っ先に思い浮かびますが、果たして…!
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