りゅうせい

寓のりゅうせいのレビュー・感想・評価

(2022年製作の映画)
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細部まで作り込まれたアートワークに見惚れているうちにいつの間にか奇妙な物語の中に引き込まれていました。
死んだはずの姉が生きていることに戸惑いこそ見せるものの全く突っ込まない主人公。死んだはずの姉と死んだ姉の子供をモデルに作られた人形と食事をすることになるのですが、ここでも主人公は平然を装って普通に会話を続けています。おかしいと指摘してしまうと、どうなるかわからない恐怖なのか、強がっているだけなのか分かりませんが、身動きが取れずに穏便に済ませようとしている主人公の状態に感情を重ねて、自分までおかしくなりそうでした笑

本作の面白かったところが、この奇妙な状況の答えがはっきりと描かれない点です。
鑑賞中にとったメモを読み返しながら、これってこういうことなんじゃないかと考える時間がとても楽しかったです笑
受け手に解釈を委ねる作品では1つの解釈じゃなくて、別の解釈で無限に妄想を膨らませることができるのが魅力的ですよね。

僕のお気に入りのシーンを一つだけあげるなら、エスカルゴが動き出すシーンです笑
お皿に乗ったエスカルゴが急に動き出す様子をストップモーションで描いているのですが、つる葉が叩き潰してしまうのです。
なんとも残酷な笑 ちょっと笑っちゃいました笑 ここから逃げようとしたらこのエスカルゴみたいになるよって言ってるように見えて怖かったです笑