重いテーマの作品であることはティザーから想像していたのですが、想像通り重く見た後に市子という人のことを答えもなくずっと考えてしまう映画です。
けれどその重さや余韻は後味悪かったり気分が沈み落ち込むようなものではなく、市子に目を向け、知り、考え、想いを馳せる機会をぶつけてくれたこの作品に感謝を感じました。
社会問題を絡めた作品からのメッセージをきっと監督やキャストの方々が伝えたかった伝わり方で、しっかりと受け止められたと思います。
主演の杉咲花さん演じる市子の不思議な引力は作中でも、作品を見ている私にとっても凄まじかったです。
杉咲さんのお芝居を見ていると役柄が感じている感情がこちらにも届いてくるような感覚にいつも陥ります。
今回も市子の激動の人生の起伏やその中での穏やかだった時間、体験しているかのように心が揺さぶられました。
けれどそれで市子に寄り添えてると思ってはいけない、彼女のことをわかったつもりになってはいけない、と線を引きながら見ていました。
杉咲花さんが好きで完成披露でいち早く鑑賞させていただきましたが、多くの方に観てもらい、そして1人でも多くの人に市子を知ってもらいたいと願います。
今もどこかにいるかもしれない市子が平穏な日々を送れていますように。
