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市子のSJのレビュー・感想・評価

市子(2023年製作の映画)
3.7
300日問題の当事者、市子。それに加え重度の障害を抱える妹がいて貧乏で…確かに壮絶。
けれど市子の行動の端々に生きていく為とはいえ、流石にサイコパスさみたいなものを感じながら、ラストにやっぱりと思わされた。

戸籍がなく、複雑な中生きる可哀想な市子は一部の男性にとってなんとしてでも守りたい、俺が守らないとという使命感を抱かせる。そしてそんな気持ちをバッサリ切り捨てるのが市子。

長谷川のことは好きだったのかもしれない。ただ2人の想いは交差することなく、長谷川が幸せのはじまりだと感じた時、市子は終わりだと感じ、北くんは本当の意味で市子のヒーローになった。

長谷川や北くんが見ている市子は男らしさの承認を満たしてくれる存在で、自分を必要としていると思い込んでいるけど、市子はもちろん自分を犠牲にしてきたが『普通に生きる』という目的にとても貪欲で手段を選ばず、ヒーローになりたい誰かを利用して鼻歌を唄いながら今日も歩いていると思う。
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