Grace

ぼくを葬る(おくる)のGraceのレビュー・感想・評価

ぼくを葬る(おくる)(2005年製作の映画)
4.0
「VOGUE」等のファッション雑誌のカメラマンでゲイでもあるロマンが、余命3ヶ月の宣告をされ、病魔との闘い、病気との葛藤の中で死ぬまでに自分を見つめ直し、どう生きていくかを描いた作品。

癌の転移が見つかり落ち込んでしまったロマンが、家族と恋人である彼氏にひどい仕打ちをしてしまいます。家族と彼氏に病気のことで当たる気持ちや苛立つのは分かりますが、ここまで言わなくてもいいのにと思いました。でも、おばあちゃんにだけ病気と自分の気持ちを伝えることができ、分かり合える唯一の人。おばあちゃんのセリフと2人の姿が、とても素敵で感動しました。おばあちゃんとのシーンが、この作品の中で1番良かった。
ラストシーンは、とても映像が綺麗で美しい終わり方でした。

主人公ロマン役を演じたメルヴィル・プポーは、素晴らしい演技と美しさ、かっこよさがありました。おばあちゃん役を演じたジャンヌ・モローは、脇役ながら、この作品を良く魅せていて素晴らしい素敵なお祖母さんでした。
生と死のことを描いた作品は、この作品だけではなく数多くあります。数多くある作品の中のこの作品は、単に生と死のことを描かれているのではなく、美しさある映像の中で死を迎える主人公を描いていました。
死ぬまでの主人公の生き様には共感できなく、ストーリーの流れは淡々としていましたが、美しい・素晴らしい・感動の余韻が残りました。
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