Paula

エクソシスト 信じる者のPaulaのレビュー・感想・評価

エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)
3.0
Detective: Angela, can you tell your
     dad how long you
     were gone?
Angela: Few hours?
Victor: Baby, you've been gone three
    days.
このアンジーのセリフより物語が謎めいてくる。

ところで
今年8月に亡くなったウィリアム・フリードキン監督が、映画評論家エド・ホイットフィールドにFacebookを通じてこんな事を語っていた。

"Ed, the guy who made those new
Halloween sequels is about to make
one to my movie, the Exorcist.
That's right, my signature film is
about to be extended by the man
who made Pineapple Express. I
don't want to be around when that
happens. But if there's a spirit world,
and I can come back, I plan to
possess David Gordon Green and
make his life a living hell."

どいつもこいつも
自己顕示欲の塊かってね? それはこれで
それまでは歌手としてだけ有名であったフランスの歌い手を世界的映画俳優として不動のものにした映画のリメイク版『Sorcerer (1977)』でズッコケる迄は、フリードキン監督はホラー映画として初めてオスカーを受賞し、このオリジナル映画のおかげでオカルトにウエートのある映画が続々と製作された立役者と言っても良いのかもしれない。

それでも...?
2014年頃からオックスフォードの辞書なんかで位置づけられた、そしてファッションとも関係のある "ノームコア( normcore)" という造語 ...ノームコアの魅力の大きな部分はその 「醜さ(見苦しさが近い)」とされ、そのありのままを受け入れる単純さに魅了されるとされている...で
本作『エクソシスト 信じる者』は、多くの批判を受ける中、1973年の続編と公式に述べている映画製作者は、その前作がどれほど世の中、特にオカルト界にインパクトを与えたかを知ってか知らないかは分からないにしても批判を受ける一つの要因が、この映画に対してつまらないストリー展開を補うようにCGIを多用し、しかも安直なジャンプスケアをエフェクトで使うあたり「醜さ」としてだけの "ノームコア・ホラー" と呼ばれてもいい、単純さにあるのかもしれない。

Even if Believer bombs at the box
office, the next two films still have
to be made.
版権だけで4億ドルを費やし、この映画が、仮にドツボにハマっても契約上、残り2作を必ず製作しなければならない飛ぶ鳥を落とす勢いのブラムハウス・プロダクションズの皆さん(2020年現在、1500億円の売上高)

下世話なことをもうひとつ
Ellen Burstyn initially said ‘hell no’
to The Exorcist: Believer
(一般的カルチャー紹介サイト:Yahoo Life UKより)
オリジナルでお母さん役のエレン・バースティンが、引き続き再出演の依頼に際して、彼女が出演を固辞したためにブラムハウスは2倍の金額を用意し、その後彼女は引き受けたけれどもその出演料を自分が共同学長であるアクターズ・スタジオのプログラムを教えている大学に奨学金として、また慈善団体にも寄付したと言われている。

アメリカ・カナダの推定視聴者数の割合
52% 男性
66% が 25 歳以上(R指定(17歳未満は保護者同伴))
コケージョン 30%、ヒスパニック系は 41%

最後には、かわいい二人の女優さんのアドバイザーとして映画に参加していた方がチョコッとだけカメオ出演をされています。(あたしは、いつ出るか?いつ出るかと映画を観ていてもソワソワしていました。何故なら、この方、度々死亡説が噂されていましたから。)

フリードキン監督の作品と比べるのが土台無理な話なので、オカルトチックな心霊映画と割り切ればそれなり楽しめたし、お嬢さん方の頑張りがよく分かる映画作りがされていました。

※余談
(1973年のオリジナルは、スタッフに死者が出たと都市伝説のように伝えられ、またポップカルチャーに影響を与え、R-指定のホラーで最高の興行収入を得て、アメリカの国立フィルム・レジストリーに登録されてもいる。)
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