Yah

悪は存在しないのYahのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
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音楽を元に制作された映画
濱口監督の会話劇が好きなので物足りなく感じてしまった。

でも、あの話し方、映像の切り替え方、ロングショットなど濱口監督だからできるものだなと

この映画の視点は人物からではなくカメラだそう
だからこそ物語を俯瞰的に受け止め、映像、音、すべてを美しく感じることができた。
そして、役者さんの演技も変に作られていない自然な演技なのでスッと心に入ってくる。
セリフの少ない静かなストーリーは私の好みではなかったけど、濱口監督の映像の撮り方、人物の見せ方、本当に好き。

私にとって自然と動物は当たり前の存在で、カモシカは害獣と思って生きてきた。
この映画では移住者や都会の人から見た自然や動物に対しての捉え方が描かれていて、自分の考えがいかに古く凝り固まったものかと考えさせられた。
カモシカわざとやっているわけではないし、逆に人間を嫌っているのかもしれないね。

自然、人間、動物。それぞれに対して怒り、悲しみがありつつもなんだかんだ何百年も共に生きている。そこに悪は本当に存在しないのかもしれない。
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