スワット

ある閉ざされた雪の山荘でのスワットのレビュー・感想・評価

ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)
3.0
2024年 劇場鑑賞10本目
「白夜行」や「容疑者Xの献身」等と名だたる傑作小説を生み出した東野圭吾原作の推理・ミステリー小説を実写化した作品。

監督はコメディやヒューマンドラマのイメージがあった飯塚健監督を中心にキャストもジャニーズWESTの重岡大毅、今熱い俳優の岡山天音、間宮祥太朗や中条あやみといった実力派の俳優・女優を集めて制作された本作。

あるオーディションの最終選考に挑む7人の劇団員がある雪山の山荘(という設定)に閉じ込められ、そこで起きる殺人事件(という設定)を解決しようとするのだが…という難解な作品。

上記にも書いたが、監督・脚本を務めた飯塚健監督はコメディやヒューマンドラマを手掛けている印象。「野球部に花束を」や「虹色デイズ」、「荒川アンダーザブリッジ」と言った作品群を見る辺り、飯塚監督の得意なジャンルの手法が見事に悪い方に作用している印象。
時折り入るギャグのセンスや会話のテンポがこの作品の題材に全く合っていない。
久我と本多が「お前アッチなのか?」と問答を繰り返すシーンや久我と田所が会話でやり合うシーンとかは余分で終始テンポが悪い。
観ていられなかったのは、久我と本多がお互いのアリバイを証明するシーンにて、朝起きたらお互いを結んでいたロープがハートの形になっている所…
視覚的にもキツイなと思っていた所、わざわざそれを言葉にして会話でもこちらに聞かせて来る所に思わず手を額に当ててしまいました。
その割には、ミステリーパートになるとしっかりとミステリー要素を遂行しようとする姿勢にこちら側がかなり置いてけぼり、ついていけないとなってる人が多数続出したのでは?

またストーリーの根本的な核、”三重構造”についても悪くはないのだが、最後の舞台シーンを見せられると”四重構造”になってないか?と自分の中で答えが出せないオチになってしまった。
あの2時間弱観せられたものは全て久我が考えた脚本を観せられたのではと。
ミステリを観に行ったつもりでしたが、中々スッキリしない方に自分は捉えてしまった。

これは原作を読めという天啓かもしれませんね。
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