サトシ

52ヘルツのクジラたちのサトシのレビュー・感想・評価

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)
4.3
成島出監督、杉咲花主演、町田そのこ原作の大人気小説を映画化。

三島貴湖(きこ)は、東京から大分の海辺の町へと移住する。小さな町は噂話が絶えず、見知らぬ住民に小言を言われたりとそれほど居心地の良いものではなかった。そんな中、大工の村中の同級生・琴美の息子と海岸で出会う。
親から虐待されており、かつての自分と少年の姿を重ね合わせて、過去に自分がしてもらったことを少年にしたいと思い、彼が安心して暮らせる場所を探すために、自分を探し出し訪ねてきた友人・美晴と助け出そうとする・・・。

【キャスト】
三島貴瑚:杉咲花
岡田安吾:志尊淳
新名主税:宮沢氷魚
牧岡美晴:小野花梨
少年:桑名桃季
村中真帆:金子大地
品城琴美:西野七瀬
三島由紀:真飛聖
岡田典子:余貴美子
村中サチエ:倍賞美津子

タイトルが素晴らしく、期待以上の感動作品で涙無しでは観られませんでした。
事前情報がない方が絶対に楽しめますので注意して下さい。
杉咲花の演技は文句無しで惹きつけられました。3年、2年、1年前に遡ってそれぞれで生き方が変わっているのが、表情一つとっても全く違うのが伝わってくるのが必見です。
志尊淳の存在がこの映画の肝であるのは言うまでもなく、杉咲花との出会いは運命的でずっと寄り添ってくれますからね。Netflix「幽☆遊☆白書」の蔵馬役も他の俳優には大クレームで難しいと思いましたが、アンコ役もなるほどと納得しました。ハマり役ですね。
宮沢氷魚は杉咲花が好きな事は理解できますが、親に内緒で同棲して結婚相手を紹介されても自業自得ですよね。それでも杉咲花に執着して別れないなら拗れるのは目に見えています。
西野七瀬は美人なんだけど、児童虐待している素行の悪さのギャップを見事に演じていました。杉咲花に吐き捨てるセリフが逆に快感になる程でした。
余貴美子が登場してから自然と涙が溢れ出てきました。変にヒステリックにならずに全てを受け入れる覚悟が伝わってきてそれがリアルでした。
小野花梨は杉咲花の親友とはいえ、会社を辞めてやってきたのには驚きました。志尊淳と何があったのと聞いてきて、杉咲花が教えていないんだと優しさを感じました。
真飛聖はあまり登場シーンは多くないですが最近映画よく出ていますね。病院で杉咲花を引っ叩くシーンは迫力を感じました。
土曜日の午前中に鑑賞したのですが、自分含めてたった2人で入っていないと心配してしまいました。
児童虐待、家庭内DV、介護、トランスジェンダー、毒親などの社会問題を取り扱ってもいて、オススメ作品です。
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