52ヘルツのクジラたちのおひるねのレビュー・感想・評価

家族による支配、介護を行う毎日、その重みを細い身体で1人で背負いながら生きている貴瑚と、アンさんとの出会い。

小さく、誰にも届かない声を私たち社会は、私は、聞こうとできているのだろうか。深く考えさせられた。
そして無意識に相手を傷つけてしまうことともあれば、人の温かさがもたらす救いもある。どんな相手であれ完璧に知ることはできないけれど、それでも、まずは寄り添うこと、知ろうと耳を傾けることの大切さが、この柔らかい雰囲気の映像のなかで、強制的ではなく、優しく丁寧に描かれていることもよかった。