Ken

スカウトに誓って 米国ボーイスカウトの隠蔽された記録のKenのレビュー・感想・評価

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2023年28本目。
ジャニーズの問題が表面化した今こそ見るべき作品だと思った。スコアはつけられない。

アメリカのボーイスカウトにおける子供達に対する性的虐待の被害を扱ったドキュメンタリー作品。
性的虐待の被害にあった数は桁違いであり、現在は約8万2千人が被害を訴えており、裁判が続いている。
ジャニーズ事務所で起きたことに類似していると言える事件。組織内で隠蔽していた上、自浄もできなかった。



本作では40代50代の大人たちが涙を流しながら語るシーンが多数ある。1人2人じゃなくて、本当に何人出てきたかわからないほどインタビューに答えてくれている。

それを見ているとき、わたしは涙を流すわけでも悲しいわけでもなく、体の奥が震えていた。自分自身も子供に関わるしごとをしていることもあり、極度の怒りと悲しみが衝撃を持って伝わってきていた。それは頭で処理されるのではなく、何かもっと深いところに響いていたように感じた。



「よく知らない人は小児性愛者を同性愛者と混同します。ですが小児性愛者の多くが異性愛者です。同性愛嫌悪のせいで大勢の男性が公言できずにいます。彼らの苦悩につけいっているのです。」

これはスカウトの参加を義務付けているモルモン教が同性愛批判を宣言したことに対するセリフ。

正直、わたしもよく知らない側の人だった。こういう偏見があるからこそ、公言できない社会だと思った。


その一方、この情報って本当なのかな?と思い、日本のネットで「小児性愛者 同性愛者」と調べたら本当に胸糞悪くなる意見ばかりだった。
「同性愛者を多様性として認めるならば、小児性愛者も認めるべきだ」という主張が多く見えてしまった。日本では幼い子供をアニメや漫画などの様々な手法で性的消費している。そんなトチ狂った世界だからこういう主張が出てくるのだろう。本当に嫌で嫌で仕方ない国だ。



本作で印象的なのは、明るく強い口調で話す元青少年保護担当のマイケルジョンソン氏。
内側にはとんでもない思いがあるにも関わらず、どうにかしたいという強い気持ちを伴って語りかけてくる。本当にすごい人だと思った。



「性的虐待を受けた男は恥を抱えてる。」
「なぜ被害者が恥じなきゃいけないんだ。恥を感じるべきはスカウト連盟だ。」




ジャニーズ事務所の問題に限らず、
子供達を性的消費し続けて、それを見て見ぬふりし続けるこの社会は滅んだほうがいいと強く思う。
Ken

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