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機動戦士ガンダムSEED DESTINY スペシャルエディション 運命の業火 HDリマスターのおはうちのレビュー・感想・評価

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前作主人公を討ってしまう展開の面白さは代え難いだろう。シンのやるべき事に迷いは無くてステラの為に戦う明瞭なヒロイズムで破綻が無い。それに対するキラやアスランの煮え切らなさ、何考えてるのか不明瞭なまま中途半端な立ち位置でモヤモヤさせるストーリー運び。だから嫌われるんだわと再認識。

キラには殺意がないという擁護で乗り切ろうとするアスランにやっぱりモヤるよな。戦場を無闇矢鱈に乱入してはベストな手段で対話をしようとしないでスーパー暴力頼りなテロリストの擁護って難しい。前作と同じ流れで第三勢力として介入するのは同じなのに、視点の置き方ひとつで印象が変わる。

キラとアスランがまた仲良く肩を並べて悪党と戦う勧善懲悪なストーリーにしたい欲求による路線変更でアンバランスな作品になっているのが『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のある種の歪んだ魅力かな。

改めてザフトに復隊したアスランが離反する展開の手前勝手さには呆れちゃったな。アスランには議長を敵視する根拠が弱いというか、根拠を掴んでから離反し欲しかった。せめて本物ラクスに暗殺を仕向けた証拠が見つかるとか。議長の言葉に端々に感じる違和感くらいしか無いのが痛い、実態が無さすぎる。

議長にとって都合のいい存在になれないからアスランを切り捨てる展開は普通に当然だよな。アスランを復隊させるだけじゃなく強い権限を発揮できる地位にして好きにやらせてやったのに、フラフラとキラと会っちゃう自分の立場が分かんないでいる中途半端な野郎だから、用済みも仕方が無いわな。

デスティニーとレジェンドの初活躍が離反したアスランの始末ってかなり嫌な感じでやだな〜、何してくれてんだ。ここからもうヒロイックに活躍させる気が無いんだよね。メイリンごと撃墜しちゃったシンがルナマリアと抱き合って泣いてしまう場面、本当に二人が不憫で可哀想で仕方なかったな。
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