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知りすぎていた男のnagarebosiのレビュー・感想・評価

知りすぎていた男(1956年製作の映画)
4.5
まず冒頭から上手い!サスペンスフルな曲をオーケストラで演奏し徐々にシンバルに寄っていく撮影、シンバルが鳴るのも後半への伏線だし、なにより曲が良い。さすがバーナード・ハーマン!
主人公があくまでも凡人なのも上手い設定。格闘も出来ない、頭が切れるタイプでもない私みたいな一般人だけど息子を助けたい一心で奮闘する姿は共感できる。「ケ・セラ・セラ」自体がキャッチーなメロディーで覚えやすく、この曲も後半でバツグンに効いてくる。
電話帳をパラパラさせて緊張感を煽り、
後半の演奏会で銃口・奥さん・楽団・首相とカットバックさせる編集と音楽、クライマックスの「ケ・セラ・セラ」を歌いながら息子が居る部屋までをトントンと繋ぐ編集も上手く、さすがヒッチコックだなぁ、とむちゃくちゃ感心。
序盤が丁寧に作られ冗長かと思うが、ラストが一気にすっ飛ばしてホテルの場面へ、というのも気持ちいい。
とにかくサスペンスの上手さを堪能出来る作品で面白かった!